ファッションに関するエッセイ

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ベル&ロス BR V2-94 フル ラム 2021年新作

先日発売されたBR 03-93 GMTに続いて、ベル&ロスは最新の発光モデルを発表した。BR V2-94 フルラム(Full Lum)は、馴染みのあるケースデザインとダイヤル構成(ベースとなったBR V2-94の見られるヴィンテージ クロノグラフのスタイル)を採用しながらも、対照的な強力夜光スタイルの斬新なモデルとなった。本機は、2020年に発表されたBR 03-92 ダイバー フル ラム やBR03-92 HUD 限定エディションなどの新しいルミナスモデルに続くもので、前者は今回のモデルと同様に、複数のコントラストカラーの夜光を使用してフル ラムの名を冠した外観を実現している。
ベル&ロス初のアウターベゼルのスクエアGMTほど顕著ではないが、この新しいモデルによって珍しい色彩のオプションと、強力な夜光のコントラストをもつダイヤルのユニークな色彩に、ブランドが興味を持ち続けていることが示された。このモデルは現在、V2-94シリーズと広範囲なヴィンテージ コレクションで提供されている多様なバリエーションに加わることになった。外見的には奇抜かもしれないが、ベル&ロスの他のコレクションとの調和はとれている。

ディテールを見てみると、まず、他のV2-94クロノグラフと同様の馴染みのあるケースシルエットが目に入る。ケース径は41mm、100m防水、テーパードラグ、ねじ込み式プッシャー、アルマイト処理されたブラックインサート付き固定ベゼルなど、堅牢でダイバーに適したクロノグラフでありながら、古典的なツールウォッチのフォーマットに新しい風を吹き込んでいるようにも感じられる。

ケースは直線的な外観で、ドーム型の無反射コーティングが施されたサファイアクリスタル風防の下には、この時計の真の主役が存在する。ダイヤルは全面的に夜光性のグリーンで塗られており、白昼でも明るく、注目を集めるスタイルになっている。暗い場所では、ブラックの塗装部分と鮮やかなスーパールミノバグリーンのコントラストが映え、そのスタイルが際立つ。時間表示は細部に至るまで非常に読みやすい。特に9時位置の30分積算計インダイヤルには、コントラストの効いたルミナンスカラーが配され、非常に目立つ。
夜光以外に目を向けよう。ダイヤルは、これまでのV2-94クロノグラフと同様、ダイヤル上下の大きなアラビア数字、残りの2つの15分と45分位置の大きなインダイヤル、4時半位置の小さな非夜光の日付窓、そしてフェイス中央のアビエーションスタイルの針によって構成されている。ベル&ロスならばグリーン以外の要素として、先端が赤い秒針などを加えても面白かっただろうが、このスタイルで十分に魅力的であると判断し、そのままにしたのかもしれない。

ムーブメントには、これまでのシリーズで好評を博してきたBR-CAL.301を採用した(キャリバーはETA2894-2をベースとし、42時間のパワーリザーブを備える)。この自動巻きクロノグラフキャリバーは、先に発売されたGMTと同様に、メンテナンス性に優れた実用的な性能を提供し、着用者まで輝けるよう機能してくれるだろう。